ÉMAncipé

自分をもっと解放していきたい 朗読者EMAの日々

私の心の中にある光

石井ゆかりさんの星占いが大好きで、

彼女の本やブログをよく読んでいます。

 


今朝見た、ゆかりさんのラインの記事の中に

以下のような文章がありました。

 

 

…空の星は私たちの「外側」にあるわけですが、星占いの世界では、星は私たちの内側にあるものも、外側にあるものも、あまり区別されないんです。だからこそ、生まれた時の星の位置で、その人の人となりがわかる、みたいな考え方になるわけです。

「見上げた空の星が、私の心の中にある光だ」と思ってみると、なんだか妙に、元気が出てきたりしますよ。詩人で彫刻家の高村光太郎も「火星が出てゐる」という素晴らしい詩を書いてます。

 

 

 

「星占いの世界では、内側にあるものも、外側にあるものも、あまり区別されないんです。」

なんか良い言葉だなと思いました😊

 


それで紹介されていた高村光太郎の詩も調べてみました。

 

 

 

http://blog.livedoor.jp/ac5562aozora2/archives/51178944.htmlから転載)

 


火星が出てゐる。


要するにどうすればいいか、といふ問いは、

折角たどった思索の道を初にかへす。

要するにどうでもいいのか。

否、否、無限大に否。

待つがいい、さうして第一の力を以て、

そんな問に急ぐお前の弱さを滅ぼすがいい。

予約された結果を思ふのは卑しい。

正しい原因に生きる事、

それのみが浄い。

お前の心を更にゆすぶり返す為には、

もう一度頭を高くあげて、

この寝静まった暗い駒込台の真上に光る

あの大きな、まっかな星を見るがいい。

 

 

火星が出てゐる。

 

木枯が皀角子(さいかち)の実をからから鳴らす。

犬がさかって狂奔する。

落葉をふんで

藪をでれば

崖。

 

 

火星が出てゐる。


おれは知らない、

人間が何をせねばならないかを。

おれは知らない、

人間が何を得ようとすべきかを。

おれは思ふ、

人間が天然の一片であり得る事を。

おれは感ずる、

人間が無に等しい故に大である事を。

ああ、おれは身ぶるひする、

無に等しい事のたのもしさよ。

無をさえ滅した

必然の瀰漫(びまん)よ。

 

 

火星が出てゐる。


天がうしろに廻転する。

無数の遠い世界が登って来る。

おれはもう昔の詩人のやうに、

天使のまたたきをその中に見ない。

おれはただ聞く、

深いエエテルの波のやうなものを。

さうしてただ、

世界が止め度なく美しい。

見知らぬものだらけな不気味な美が

ひしひしとおれに迫る。

 

 

火星が出てゐる。

 

 

 

高村光太郎詩集「火星が出てゐる」より

 

 

 

 


高村光太郎石井ゆかりさんも、

悟っているんだなぁ😊♫

 


素敵な詩に出会えて嬉しい朝でした。

 

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これは火星じゃないけどね😅